君を借りてもいいですか?
「彼女の名前は西園寺結愛花(さいおんじゆめか)さん。23歳で家事手伝い。父親は製薬会社の社長。趣味はヴァイオリンとオペラ鑑賞」
正真正銘のお嬢様だ。改めて写真を見ると清楚という言葉がぴったりだ。家柄が写真からにじみ出ている。
「途中棄権ってできますか?」
「は?無理」
「ですよね〜」
ってそんなんで納得などできない。
「魔法でも使わない限り私に勝ち目はないですよ。負け戦ですよ」
やっぱり相手を見てから返事すべきだったと後悔する。
「確かに負けてる」
「でしょ」
私は勢いよく湊人の方を見た。
湊人も実際に彼女とは直接会ったことはないらしい。どこかのパーティーで湊人を見た結愛花さんの一目惚れらしく、向こうからの一方的なアプローチが今回の縁談話に繋がったらしい。
でもわからなくもない。
初めて湊人を見たとき、カッコ良すぎて直視できなかったもん。
ただ、遠くから眺めていたい。って感じだった。きっと彼女も湊人を見て白馬の王子様とでも思ったのだろう。
私は羽のついた帽子を被って爽やかな青い上着に白いピチッとしたパンツと黒いブーツを履いた湊人が、白馬にまたがっている姿を想像していた。
「ブッ!」
いやいや流石にないでしょ〜これは。そういう感じの王子様ではないだろう。
正真正銘のお嬢様だ。改めて写真を見ると清楚という言葉がぴったりだ。家柄が写真からにじみ出ている。
「途中棄権ってできますか?」
「は?無理」
「ですよね〜」
ってそんなんで納得などできない。
「魔法でも使わない限り私に勝ち目はないですよ。負け戦ですよ」
やっぱり相手を見てから返事すべきだったと後悔する。
「確かに負けてる」
「でしょ」
私は勢いよく湊人の方を見た。
湊人も実際に彼女とは直接会ったことはないらしい。どこかのパーティーで湊人を見た結愛花さんの一目惚れらしく、向こうからの一方的なアプローチが今回の縁談話に繋がったらしい。
でもわからなくもない。
初めて湊人を見たとき、カッコ良すぎて直視できなかったもん。
ただ、遠くから眺めていたい。って感じだった。きっと彼女も湊人を見て白馬の王子様とでも思ったのだろう。
私は羽のついた帽子を被って爽やかな青い上着に白いピチッとしたパンツと黒いブーツを履いた湊人が、白馬にまたがっている姿を想像していた。
「ブッ!」
いやいや流石にないでしょ〜これは。そういう感じの王子様ではないだろう。