君を借りてもいいですか?
「ごめんごめん、冗談。…お互いを思いやってる気持ちが周りから見てもわかるような…そういう空気を作って欲しいんだ…」

湊人は簡単にいうが、そういうのは付き合っていくうちに育まれるものであって、簡単なものじゃない。

湊人は話を続ける。

「とりあえずはお互いの事を知ることから始めよう?そうだな〜栞はどんな風に今まで過ごしてきたの?」

えええ?そこからですか?

結局、この日私は何年かぶりに外泊をした。

もちろんそこにラブはない。

お互いの生い立ちを聞き、時にはメモを取ったり…でも不思議なことに全く眠気は起きなかった。
< 48 / 115 >

この作品をシェア

pagetop