君を借りてもいいですか?
「じゃあ〜結婚式楽しみしてるね〜」

「ありがとう」

2時間ほどで私たちは解散した。

みんなの姿が見えなくなると全身で大きくため息を吐いた。

さっきは敢えてお酒を飲まなかったけど、今はすごく飲みたい気分だ。

こういう時、おひとりさま慣れしていると一人でも飲みに行けちゃうんだよね。

そこがおひとりさまのメリットだ!

ってことでどこに行こうかな〜と店の看板を見ていた時だった。

着信音が鳴った。

「もしもし亜矢?どうした?」

電話の相手は友人の亜矢からだった。

『ねえ!今から飲み行かない?』

なんというタイミングの良さ。わたしは2つ返事でOKした。

聞けば、今わたしがいる場所の近くにいると言うのでわたしは動かずに亜矢が来るのを待った。

そして待つこと5分。

ゴロゴロとキャリーを引いて亜矢がやってきた。

「ごめん。お待たせ!」

「もしかして今からどこかに行くの?」

「ううん。今シンガポールから帰ってきたの」

亜矢は人気女性ファッション誌の編集をしている。どうやら今回は撮影のお伴だったようだ。
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