君を借りてもいいですか?
まるで自分が昆虫にでもなったような気分だ。

「もちろん、過度なスキンシップはないから安心していいよ」

なんか自分がまるで本の中にいるようだ。

300ページの物語の中でいろんな出来事が物凄いスピードで立て続けに起きるような感じ。

もしかしたら小説をリアルで体験したらこんな感じなんだろう。

唯一違うのはその物語にはあるはずのトキメキや恋い焦がれるようなシーンが全く無いってこと。


湊人が電話をかけるというので、コンビニに車を止めた。

私はその間に旅行に必要な下着や旅行用のスキンケア商品を購入。でも全くドキドキもワクワクも無い。

不安。そう不安だらけだ。

本当にこんなことまでして意味があるのかわからない。

頑なに結婚しないと言えば済むような気がするのだけれど……

って結婚願望ゼロの私が言えたことじゃ無いけど
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