君を借りてもいいですか？
Lesson3・・・まさかの半同棲？！
雑誌が発売される１週間前、湊人から「至急会いたい」と連絡が来た。

少し焦ったような声に何かあるのかとこっちまで焦ってしまう。

いつものように公園側で待つ湊人は相変わらずみんなの目を引く。

そして、私を見つけると軽く手を振るその姿。

通行人は誰に手を振っているのかと探す。そして私だとわかった時に微妙な表情。

でももうそれも慣れてしまった。

「お疲れ」

「お疲れ様…ってなんか疲れた顔っていうか、覇気がないというか…何かあった？」

いつもと違う湊人。だけど、なんだか気だるそうなところもかっこいい…なんて思うのは不謹慎だろうか。

「うん……ちょっとね」

なんだろ。やっぱり変だ。

いつものでんと構える余裕さが全くない。

とりあえず事情は車の中で聞こうと車に乗ると早速質問をぶつけた。

「もしかして結女花との縁談話に進展でもあったんですか？」

「いや、そんなんじゃないんだ」

勿体ぶった言い方が余計気になる。

…まさか、雑誌の件がバレたとか？いや、このことを知っているのは私と亜矢だけ。

下手に質問して墓穴を掘るわけにもいかない。

湊人は勿体ぶったまま車を走らせた。
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