君を借りてもいいですか?
「帰る時にごめんね。初対面の人にこんなこと言うのもなんだけど…これもらってくんない?」
そう言って差し出したのはさっき私が倒してしまった紙袋だった。
もしかして割れ物でも入っててさっき倒した時に?
「すみません。もし割れていたのなら買い取ります。なので––」
頭を下げると男性が私の肩をポンと叩いた。
「違う違う。そんなんじゃないんだ」
「え?」
顔を上げるとイケメンとの距離が近くて一気に緊張が増す。
「割れ物とかは多分ないよ。いらないからもらってくれないかな?って思って声かけました」
「え?でも……これ引出物ですよね?」
男性は頷くと小さく溜息をついた。
「今年に入って結婚式に出たのは4回。そのうちの3つには新郎新婦の名前入りグッズや顔写真付きのグッズがが入ってたんだ。ただでさえ結婚式で馴れ初めだのエピソードだの散々幸せ見せつけられて、やっと解放されたと思ったらトドメと言わんばかりのコテコテの引出物。名前入りだからリサイクルショップにも出せないし、だからと言って捨てるのも後ろめたい。だから…もらってくれると助かると言うか…」
わかる。
凄くわかる。
私の家にも名前入りの引き出物が数点あって処分に困っている。この男性の気持ちはわかる。
でも……もらってもいいものなの?
そう言って差し出したのはさっき私が倒してしまった紙袋だった。
もしかして割れ物でも入っててさっき倒した時に?
「すみません。もし割れていたのなら買い取ります。なので––」
頭を下げると男性が私の肩をポンと叩いた。
「違う違う。そんなんじゃないんだ」
「え?」
顔を上げるとイケメンとの距離が近くて一気に緊張が増す。
「割れ物とかは多分ないよ。いらないからもらってくれないかな?って思って声かけました」
「え?でも……これ引出物ですよね?」
男性は頷くと小さく溜息をついた。
「今年に入って結婚式に出たのは4回。そのうちの3つには新郎新婦の名前入りグッズや顔写真付きのグッズがが入ってたんだ。ただでさえ結婚式で馴れ初めだのエピソードだの散々幸せ見せつけられて、やっと解放されたと思ったらトドメと言わんばかりのコテコテの引出物。名前入りだからリサイクルショップにも出せないし、だからと言って捨てるのも後ろめたい。だから…もらってくれると助かると言うか…」
わかる。
凄くわかる。
私の家にも名前入りの引き出物が数点あって処分に困っている。この男性の気持ちはわかる。
でも……もらってもいいものなの?