突然婚⁉︎ 〜きみの夫になってあげます〜
一人きりになるのが、怖かった。
だけど、仕方ないからお風呂には一人で入るけれども。
意を決したように脱衣所へ向かうわたしを、シンちゃんが呼び止めた。
振り向くと、シンちゃんの顔が近づいてきて、わたしのくちびるに、ちゅっ、と自分のくちびるを重ねた。
「……櫻子、湯船にゆっくり浸かっておいで」
くちびるを離したシンちゃんが、陽だまりのようなやさしい顔で微笑んだ。
わたしはちいさい子どものように、こくっ、と肯いた。