きみの左手薬指に 〜きみの夫になってあげます〜
「櫻子、左手首は大丈夫?」
心配そうな声音でシンちゃんが訊く。
けれども、その手はわたしのおっぱいを弄ったまんまなので、わたしはくるしげに首を縦に振るしかできない。
「……よかった……じゃあ」
シンちゃんの大きな手のひらが、わたしのおっぱいから離れた。
……えっ?うそっ!もう、終わり?
わたしは呆けた顔で振り向いた。
シンちゃんは四角い袋の封を咥えていた。
魅惑的な切れ長の目を細めて、にやりと笑う。
「櫻子、そのまま前を向いてて……後ろから挿れるから」
ピッ、と歯で袋の封が切られた。
……昨夜の「あれ」を、今度は後背位でされるの?
思う間もなく、猫が伸びをするみたいにお尻を高く引き上げられた。