突然婚⁉︎ 〜きみの夫になってあげます〜
「これから、二人で警察に被害届を出しに行ってきます」
シンちゃんがまるで「ちょっとスーパーに買い物に行ってきます」とでもいうくらい気軽に言った。
「そうだよぅ、それがいいよ。櫻子ちゃん、あんなに怖い目見たんだもん」
中村のおばちゃんが労ってくれる。
「櫻子は昨日で図書館を辞職したので、これから日中は一人で家にいることになります。
僕が仕事でいない間、櫻子のことをよろしくお願いします」
シンちゃんが打って変わって神妙な面持ちで、頭を下げる。
「やだねぇ、なに言ってんだよぅ」
山田のおばちゃんが水くさいとばかりに、手をぶんぶん振る。
「櫻子ちゃんは娘も同然だかんね。シンちゃんよりも、あたしらの方がずぅーっと付き合いは長いんだよ」
山田のおばちゃんも中村のおばちゃんも、ギャハハハハ…と豪快に笑った。