突然婚⁉︎ 〜きみの夫になってあげます〜
「シンちゃん、ダメだよっ」
わたしは思わず叫んだ。
シンちゃんは一瞬、わたしを鋭い目で睨んだかと思えば、すばやくハンドルを切って、車を路肩に寄せて停まり、足元にあるサイドブレーキを左足で思い切り踏んだ。
それからパーキングのボタンを押し、シートベルトを外したシンちゃんが、わたしに向き直った。
「……櫻子はおれとは結婚したくないのか?」
シンちゃんは苦渋に満ちた、痛々しい表情をしていた。