突然婚⁉︎ 〜きみの夫になってあげます〜

それから家に帰るまで、わたしたちは車内でなにもしゃべらなかった。

シンちゃんと知り合って、あれよあれよという間に「同居」することになって、思いがけない日々を送ってはいたが、わたしたちがこんなふうに険悪なムードになったのは、初めてだった。

家に到着しカーポートにブリウスを駐車して玄関に入ったところで、シンちゃんのスーツからバイブ音が聞こえてきた。

わたしは気を利かせて、先に靴を脱いで上がり、とりあえずダイニングキッチンへ向かった。

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