突然婚⁉︎ 〜きみの夫になってあげます〜
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原さんは去って行く前に、今までのことをすっかり白状した。

わたしに降りかかったここ最近の「災難」は、やはり「彼の仕業」だった。

東京都の西の端にある図書館への異動は、わたしが彼との結婚を決断するきっかけになるだろうと思い、センターに「進言」したという。

また、本館でのわたしに関する「ウワサ」も家電(いえでん)への無言電話や白紙のファックス攻撃も、わたしが彼の「プロポーズ」を断った腹いせだった。

ところが、息子の「結婚」を聞いて喜んだ原さんのお母さんが、上京してくることになった。
あわてた原さんは、なんとかもう一度、わたしに結婚を考えてもらう話をしようと思った。

でも、分館では真生(まき)ちゃんが張りついていてわたしに近づけないため、仕方なくうちの近辺をうろついて「機会」を伺っていた。

そんな中、本館で、わたしが「結婚した」というウワサが駆け巡った。

すっかりあわてふためいた原さんは、分館に乗り込んだのだが、「夫」のシンちゃんが登場して「返り討ち」に遭う。

しかし、わたしの突然の「結婚話」に違和感を覚えた原さんは、シンちゃんのことを調べて「真実」を知った。

そして、昨夜の「行動」に出たのだが、わたしとシンちゃんが「結婚」していないことなど百も承知で「離婚」を迫ると、どうやらわたしがなにも知らないようなので、「真実」をわかってもらおうと今日の「行動」になった、というわけだ。


それから、原さんは最後に、

「母には『結婚はダメになった』と、正直に言います……ご迷惑をおかけして、すみませんでした」

そう言って、(こうべ)を深く垂れた。

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