突然婚⁉︎ 〜きみの夫になってあげます〜
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不毛な時間が終わりを告げ、閲覧室に戻ると、本館の職員から一斉に見られた。

……「ウワサ」かぁ。

道理で、朝からみんながザワついていたはずだ。

「……櫻子さんっ」

真生が駆け寄ってきた。

こらこら、図書館で司書が走ってどうするの?

「あのズラタヌキ、何の用でした?」

こらこらこら、そんなあからさまなっ!

「うーん、なんかわたしに名指しでクレームが来てるとかで、ずいぶんあらぬことを言われちゃったんだけど」

わたしは苦笑した。

「はあぁっ!? あたしがあれだけ言ったのにぃ?
あいつ、まだ真に受けてんのぉ?
……ちょっと、ズラタヌキのところに行ってきますっ!」

真生ちゃんが腕まくりする勢いで乗り込もうとする。

わたしは「ちょっと、待って!」とあわてて引き留めた。

「大丈夫だからっ!どうせ別館が閉鎖されるまでのことだから」

真生ちゃんはこれから本館勤務となるのだ。
わたしのために下手なことをして、館長を怒らせでもしてセンターから「契約解除」になっちゃいけない。


……それに。

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