きみの左手薬指に 〜きみの夫になってあげます〜
゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚
その日、お隣に住む山田のおばちゃんが、いつものように回覧板を持って訪ねてきた。
わたしのことは、祖母に引き取られたときから知っている。
そして、祖母が倒れていたのを発見してくれたのもこの人だ。
「……櫻子ちゃん、あのさぁ」
山田のおばちゃんはすでにうちの玄関の中に入ってるにもかかわらず、声を潜めた。
「裏の中村さんがあたしに『気をつけなよ』言って教えてくれたんだけどさぁ。
最近、この辺をうろついてる若いヘンなヤツがいんだってよ。気味悪いやねぇ。
あたしもそうだけどさ、櫻子ちゃんも『女の一人暮らし』っだろ?」
おばちゃんには息子が一人いて、わたしにとっては小・中学校の後輩だが、結構大きな証券会社に就職したため、便利の悪いここから通うのは身体がもたないと言って家を出た。
おじちゃんは数年前にガンで亡くなっていた。
「いやだ、おばちゃん。そうなの?
……怖いわねぇ」
わたしは眉を顰めた。
その日、お隣に住む山田のおばちゃんが、いつものように回覧板を持って訪ねてきた。
わたしのことは、祖母に引き取られたときから知っている。
そして、祖母が倒れていたのを発見してくれたのもこの人だ。
「……櫻子ちゃん、あのさぁ」
山田のおばちゃんはすでにうちの玄関の中に入ってるにもかかわらず、声を潜めた。
「裏の中村さんがあたしに『気をつけなよ』言って教えてくれたんだけどさぁ。
最近、この辺をうろついてる若いヘンなヤツがいんだってよ。気味悪いやねぇ。
あたしもそうだけどさ、櫻子ちゃんも『女の一人暮らし』っだろ?」
おばちゃんには息子が一人いて、わたしにとっては小・中学校の後輩だが、結構大きな証券会社に就職したため、便利の悪いここから通うのは身体がもたないと言って家を出た。
おじちゃんは数年前にガンで亡くなっていた。
「いやだ、おばちゃん。そうなの?
……怖いわねぇ」
わたしは眉を顰めた。