突然婚⁉︎ 〜きみの夫になってあげます〜

「君たちの話が、静か〜に本を読んでる僕の耳に、聞くともなしに入ってきたんだけど……」

わたしは真生ちゃんの方を向いて、顔を(しか)めた。

……ほら、やっぱり、真生ちゃんの声が大きかったのよ。

これこそ「司書が私語をしてうるさい」とクレームが来かねない。

「その状況だと、僕もやっぱり『櫻子さん』っていう女性が、ストーカー被害に遭ってるとしか思えないけどね……しかも、その『原さん』って人に」

……話してたこと全部、筒抜けだったんじゃないっ!

恥ずかしくて、わたしも向こうにいるサラリーマンのように、机に突っ伏したかった。(あのサラリーマンはただ寝てるだけだけど)

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