突然婚⁉︎ 〜きみの夫になってあげます〜

自信たっぷりに言うものだから、どんな妙案を授けてくれるのか、と期待したが……

わたしも真生ちゃんも失望感が半端ない。
反動で、ちょっと怨みがましい気持ちすら湧き上がってくる。

イケメンさんが「ん?」という顔になる。

「……もしかして、櫻子さんにはそういう人がいない、もしくはそういうことを頼めるような人もいない、のかな?」

ちょっと皮肉っぽい笑みを浮かべていた。

初めて話をする人がそんな笑いをしたら、普通は嫌悪感しかないと思うが、さすがイケメン。
さわやかな笑顔の中に忍び込む、ちょっぴりセクシーな危うさにしか見えないのが腹が立つ。

でも……やっぱり「腹は立つ」んだけれども。

「そっ、そうなんですっ!
櫻子さんはこんなに性格もよくてやさしいのに、浮いた話一つない残念な美人さんなんですっ!」

真生ちゃんが力強く肯定した。

「ちょ…ちょっと、真生ちゃんっ!?」

わたしはあわてて制する。

「じゃあ……乗りかかった船だね」

イケメンさんが、すーっと目を細めた。
セクシーな危うさが絶賛増量中だ。

< 43 / 272 >

この作品をシェア

pagetop