突然婚⁉︎ 〜きみの夫になってあげます〜
自信たっぷりに言うものだから、どんな妙案を授けてくれるのか、と期待したが……
わたしも真生ちゃんも失望感が半端ない。
反動で、ちょっと怨みがましい気持ちすら湧き上がってくる。
イケメンさんが「ん?」という顔になる。
「……もしかして、櫻子さんにはそういう人がいない、もしくはそういうことを頼めるような人もいない、のかな?」
ちょっと皮肉っぽい笑みを浮かべていた。
初めて話をする人がそんな笑いをしたら、普通は嫌悪感しかないと思うが、さすがイケメン。
さわやかな笑顔の中に忍び込む、ちょっぴりセクシーな危うさにしか見えないのが腹が立つ。
でも……やっぱり「腹は立つ」んだけれども。
「そっ、そうなんですっ!
櫻子さんはこんなに性格もよくてやさしいのに、浮いた話一つない残念な美人さんなんですっ!」
真生ちゃんが力強く肯定した。
「ちょ…ちょっと、真生ちゃんっ!?」
わたしはあわてて制する。
「じゃあ……乗りかかった船だね」
イケメンさんが、すーっと目を細めた。
セクシーな危うさが絶賛増量中だ。