突然婚⁉︎ 〜きみの夫になってあげます〜
「……とにかく『渡りに船』だったんですから、思いっきり乗っかっちゃいましょう!」
真生ちゃんは気を取り直して言った。
「それに、葛城さんが真性ゲイだったら、櫻子さんの『貞操』も守れて一石二鳥じゃないですかっ。そう前向きに考えましょうよ!」
……本当に、真生ちゃんのおひつじ座な性格がうらやましいわ。
「じゃあ、あたし、本館方面に速攻で、『櫻子さんが常連のイケメン利用者さんと結婚したこと』を広めますねぇ……」
真生ちゃんはまるで江戸時代の遊郭の遣り手ババァのように、ひひひ…と笑った。
そして、わたしの左手薬指に輝くリングを見つけると、
「えっ、もう『結婚指輪』買ったんですか?」
大きな目を見開いた。