突然婚⁉︎ 〜きみの夫になってあげます〜
「……うん、『ストーカーはどこで櫻子さんを見てるかわからないからね』って葛城さんが」
「へぇ……それ、カルティエですよね?
シンプルなプラチナリングよりもオシャレで、すっごいステキですっ!
……でも、結婚はフェイクなのに、すごい力入ってません?」
「そうなの……葛城さんの分まで、悪いことしちゃった」
「えっ、葛城さんまで買ったんですか?」
大きな目をさらに見開く。
「うん……『だって、結婚指輪なんだから、お互いにしてなきゃダメでしょう?』って葛城さんが言うから」
「……割り勘、ですよね?」
わたしは首を左右に振った。
「わたしは自分の分は出す、って言ったんだけど、どうしても受け取ってくれないの」
真生ちゃんの目が最大限に見開かれた。