キミの好きをください。
「あぁー…高校選び失敗した…もう生きていけない…」


「1年間通っておいてよく言うよね、凛。」


「だって…私の頭じゃ『亜貴』の高校には行けなかったんだもん」



今、親友に愚痴を吐いているのが私。





『森永 凛』




今、私の愚痴に付き合わされてる私の親友が





『近藤 まひろ』




そして、『亜貴』は私の片想いの人。




「本当に亜貴のこと好きだよね、態度とは裏腹に。」


「ぐっ…まひろたんは本当に痛いところついてくるよね…」



「だってそうでしょ。」




そう。私は亜貴に素直になれなかった。


小学校、中学校の頃、顔を合わせたと思うと亜貴は私を馬鹿にしてくる。


そして私はそれに応戦してしまう。


心の中では「きゃー!今日も話せた!!」とか思っているけれど




実際には、喧嘩をしているだけだった。



「はぁぁぁ…同じ学区だし、ド田舎だから電車も1時間に1本のペースだから…絶対話すタイミングある!って希望を捨てなかったのに…」


「いや、無理でしょ。無理。」


「まひろたん…やっぱり冷たい…」


「冷たいとかじゃない。私らの高校は普通って言えば普通だけど、ここの学区内なら少し成績の劣る高校。対して…」


「亜貴の学校は進学校で成績がいい高校…と??」


「そう。だから、あちらさんの高校は朝は小テストで忙しいの。」






まひろたんに正論を言われ撃沈していた新学期。




私の気持ちとは裏腹に桜はとても綺麗に咲いていて綺麗だった。
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