キミの好きをください。
家から駅まで徒歩15分。


お気に入りの歌手の音楽を入れたプレイヤーにイヤホンを繋げて音楽を聞きながら歩く。


(あぁ…男性アイドル癒される…推しが可愛い…)



ド田舎だけど無人駅では無いこの駅。


駅の待合室でまひろたんを待ちつつ、亜貴も一緒に探す。


亜貴は小中学校の時、私より身長が低くて、周りからチビ呼ばわりされてたし可愛いとか言われてた。





なのに、高校に入ってわずか1年…


何センチ伸びてるの!?って位、身長が高くなってて『あぁ、また亜貴がモテてしまう。』と何度モヤモヤしただろうか。



(あ…亜貴。学ラン似合いすぎて…)



「はーい、邪魔しますよー。」

「わっ!ま、ま、まひろたん…!おはよう」

「うん。おはよう。って言いたいところだけど」


まひろたんが呆れたように私を見ると





「昨日、私、頑張る!話しかける!って言ったのどこの凛さんだったっけ?」

「こ、ここの…凛さんです…。で、でも!!無理!!恥ずかしい!今更何を話せばいいの!?ちゃんと話したことなんか…」




あれ?そう言えば、私と亜貴って…ちゃんと話したことなんてあっただろうか。

喧嘩してたのは確かにそうだし、それを話すにカウントするならかなり話してることになる。



でも、普通の世間話は…



「ないよ!まひろたん!」

「うわっ、いきなり大声出してびっくりさせないでよ。」

「ない!私、亜貴と普通に世間話したこと!」

「知ってるけど。」


そんなことをあれこれ思い出している内に色々思い出してしまう。


「そういえば…私以外の女の子には優しかったよね亜貴…勉強もわからない所、励ましながら教えてたし…」


「え、なにいきなり。回想??」


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