キミの好きをください。
その頃、凛から届いたLimeを見た亜貴。
『森永凛です。憶えてるかな?』
後で返そうと思った亜貴はそのまま制服のスボンのポケットにスマホを戻そうとしたとき、
「なぁ亜貴、森永凛って誰?」
「悠、人のスマホ勝手に盗み見るな」
この『悠』という男は高校の入学時にやたら亜貴を気に入り、無理矢理一緒にいるようになり
今ではお互い親友と呼べるくらいの仲になっていた。
「たまたまだって。見えただけ。で?誰?」
「小中の同級生。」
「へぇ、可愛い?」
悠がそう聞くと、亜貴は眉をひそめてため息をついた。
「…誰も女子って言ってない」
「嘘はダメだよ?亜貴」
「嘘じゃない」
「そう?でも俺の女の子レーダーは正確だよ?俺の勘が森永凛は女の子だって言ってるし」
悠の女の子レーダーは正確だ。
それはもう、こっちが引いてしまうくらいに。
「お前のそれ…本当に正確だよな」
「じゃあ、やっぱり女の子なんじゃん。なんで隠すわけ?」
悠は不思議だった。
亜貴は女子に興味が毛ほどもなく、話しかけられれば話す程度。
今みたいに悠の知らない女子からLimeが来て、誰?と聞けば『他のクラスの女子』と興味なさげに答えていた亜貴が
この森永凛という女の子を隠そうとしている『言動』に悠は少しひっかかっていた。
「気分。もういいだろ」
「はいはい。わかったよ。けど、凛ちゃんには返してやれよ?」
悠が女の子を下の名前で呼ぶことは日常茶飯事であるのに、亜貴は何故だか腑に落ちないような表情をした。
亜貴自身、何故腑に落ちないのか全然理解できない。
ただの同級生で、喧嘩ばかりしてきた相手なのに。
何故だか不快感が胸をつっかえてた。
(…森永凛…)
____『亜貴にだけは絶対見せない!』
____『自分の方が頭いいからって嫌味!?嫌味なら一昨日来やがれだから!』
いつの間にか。
いつの間にかだった。
森永凛と接するようになったのは。
森永はお世事にも頭がいいとは言えない。
普通、女子がテストの点数をからかわれたら泣くか、本気で傷つくかの二択だと思っていた。
(こいつ、テストの裏50点満点の0かよ。初めて見たわ0点なんて)
「…み、見ないで!!」
「0?」
半笑いでそいつに言った後に後悔した。
なぜなら小学生特有の『先生に言うから!』が出ると思ったからだ。
「う、うるさいなぁ…!いいの!!君こそ何点なの??」
いいのかよ。と思いつつ俺は裏表満点のテスト用紙をそいつに見せた。
「わ、…満点だ…!すごいね!満点だよ!?」
「まぁ、頭の出来が違うからな」
「ひ、人がせっかく褒めたのに…!!頭いいからって…!!」
自分の点数馬鹿にされて怒ってたくせに、そいつは俺のテスト用紙を見ると『凄い』って言って褒めた。
何となく恥ずかしくなって『頭の出来が違う』とか言ったのは今でも覚えてる。
そこからだった…と思う。
森永凛と話すと言うか…喧嘩し始めたのは。
挙句の果てには
____『亜貴には負けないから!』なんて張り合いだした。
森永の偏差値と俺の偏差値は似ても似つかない。
高校は別々になった。
からかいやすい奴がいなくなる位の認識だった。
「…貴、亜貴??おい、聞こえてる?」
「…なに」
「電車。…なに?もしや亜貴ったら森永凛ちゃんのことで頭がいっぱいだったとか?」
「勝手に妄想するな。」
『森永凛です。憶えてるかな?』
後で返そうと思った亜貴はそのまま制服のスボンのポケットにスマホを戻そうとしたとき、
「なぁ亜貴、森永凛って誰?」
「悠、人のスマホ勝手に盗み見るな」
この『悠』という男は高校の入学時にやたら亜貴を気に入り、無理矢理一緒にいるようになり
今ではお互い親友と呼べるくらいの仲になっていた。
「たまたまだって。見えただけ。で?誰?」
「小中の同級生。」
「へぇ、可愛い?」
悠がそう聞くと、亜貴は眉をひそめてため息をついた。
「…誰も女子って言ってない」
「嘘はダメだよ?亜貴」
「嘘じゃない」
「そう?でも俺の女の子レーダーは正確だよ?俺の勘が森永凛は女の子だって言ってるし」
悠の女の子レーダーは正確だ。
それはもう、こっちが引いてしまうくらいに。
「お前のそれ…本当に正確だよな」
「じゃあ、やっぱり女の子なんじゃん。なんで隠すわけ?」
悠は不思議だった。
亜貴は女子に興味が毛ほどもなく、話しかけられれば話す程度。
今みたいに悠の知らない女子からLimeが来て、誰?と聞けば『他のクラスの女子』と興味なさげに答えていた亜貴が
この森永凛という女の子を隠そうとしている『言動』に悠は少しひっかかっていた。
「気分。もういいだろ」
「はいはい。わかったよ。けど、凛ちゃんには返してやれよ?」
悠が女の子を下の名前で呼ぶことは日常茶飯事であるのに、亜貴は何故だか腑に落ちないような表情をした。
亜貴自身、何故腑に落ちないのか全然理解できない。
ただの同級生で、喧嘩ばかりしてきた相手なのに。
何故だか不快感が胸をつっかえてた。
(…森永凛…)
____『亜貴にだけは絶対見せない!』
____『自分の方が頭いいからって嫌味!?嫌味なら一昨日来やがれだから!』
いつの間にか。
いつの間にかだった。
森永凛と接するようになったのは。
森永はお世事にも頭がいいとは言えない。
普通、女子がテストの点数をからかわれたら泣くか、本気で傷つくかの二択だと思っていた。
(こいつ、テストの裏50点満点の0かよ。初めて見たわ0点なんて)
「…み、見ないで!!」
「0?」
半笑いでそいつに言った後に後悔した。
なぜなら小学生特有の『先生に言うから!』が出ると思ったからだ。
「う、うるさいなぁ…!いいの!!君こそ何点なの??」
いいのかよ。と思いつつ俺は裏表満点のテスト用紙をそいつに見せた。
「わ、…満点だ…!すごいね!満点だよ!?」
「まぁ、頭の出来が違うからな」
「ひ、人がせっかく褒めたのに…!!頭いいからって…!!」
自分の点数馬鹿にされて怒ってたくせに、そいつは俺のテスト用紙を見ると『凄い』って言って褒めた。
何となく恥ずかしくなって『頭の出来が違う』とか言ったのは今でも覚えてる。
そこからだった…と思う。
森永凛と話すと言うか…喧嘩し始めたのは。
挙句の果てには
____『亜貴には負けないから!』なんて張り合いだした。
森永の偏差値と俺の偏差値は似ても似つかない。
高校は別々になった。
からかいやすい奴がいなくなる位の認識だった。
「…貴、亜貴??おい、聞こえてる?」
「…なに」
「電車。…なに?もしや亜貴ったら森永凛ちゃんのことで頭がいっぱいだったとか?」
「勝手に妄想するな。」