マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
…それから話も終えて、5人揃って屋上を出る。
…が。
「…ちょっと、こっち!」
「えっ」
後ろを歩いていた斗弥子に、急に背中を引っ張られる。
隣にいた彩里もウンウンと頷いていた。
後ろでごちゃごちゃやっていると、前を歩いていた蓑島くんと横川さんが振り返る。
「あれ?とみちゃん、どうしたの」
それに対して、斗弥子は手を振る。
「ち、ちょっと、私達まだ話あるから先行ってて!」
は、話?!
「じゃ!」と、手を上げた二人は、私をすぐ傍にある四階C教室へと連れ込む。
現在は空き教室となっているオープンスペースだ。
蓑島くんと横川さんは、何の疑いも持たずに「わかった。先行ってる」と、私を置いて行ってしまう。
え。な、何?!
連れ込まれたC教室は、現在誰もおらず私達だけ。
彩里によってドアがピシャリと閉められた。
私達だけの密室空間となった途端の開口一番は、斗弥子から。
「星月…あんた、これでいいの?」
「…え?」
これでいいの?って、何が?
その意味を考えたが、今一度、斗弥子は私に問う。
「…あんた、本当に水口のこと諦めるの?」
「諦めるって、だって…」
「本当にこれでいいの?星月、水口のこと諦められるの?!」