マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
朝練の片付けも終わり、グランドを後にして急いで更衣室に向かう。
肩にかけた部活用のトートバッグを何気に見ると、自分のスコアブックがちらりと顔を出していた。
…あ、スコアブック、持ち歩いてた。
つい、忘れてた…。
瞳真、見たがってたのに。そのまま渡しとけばよかった。
「…あ、美優」
「ん?何?」
私の隣にいた美優に、そのスコアブックをバッグから出して渡す。
「瞳真見たがってたから渡しといて」
「え?え?何で?そこにいるから自分で渡せば…」
美優は、少し先を歩いている瞳真を指差している。
うっ…気まずいのに。
何でこのタイミングでそれを指摘するの…。
それに、彼女なんだからそれぐらい引き受けてよ…。
「…いや、お願い。時間ないし。同じクラスでしょ」
「あ、うん…わかった」
今、なるべく瞳真とは顔を合わせられない…。
だって、バカップル、女の方だもの…うぅ。