マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様




すると、被害の張本人がやってきた。



「星月おはよー。1時限目どうしたの?伊野っちから朝練には出てたって聞いたんだけど」

「………」

「サボり?サボり?どこにいたの」

「………」



いつもの何の悪びれもない殺人スマイルを振り撒いて、蓑島くんは私の傍に寄ってくる。

この殺人スマイルを見るたびに、いつも無意識にドキドキさせられていたけど…今日はそんな気分ではない。

いつもの返答が出来ずにいた。



「…あれ?どした?ひょっとして、先週のこと激おこ?」

「………」



先週のパイ揉み事件で、完全立腹で「もう知らない!」と、無視を決め込んでやろうぐらい思っていたけど。

今は、それどころではない…。



…この、ズベタうんこ事件。

蓑島くんに言った方が、いいんだろうか…。




『…え?何?…ぶはははっ!…ズベタうんこ女?星月らしいー!…ぶははは!』




…いや、こいつにこそ、笑われること間違いなし!

笑いか『え…』とドン引きするかのどっちかじゃない?

でも…偽でも彼女がズベタうんこ呼ばわりされてんのよ?

でも…この男の場合、『俺の彼女に何てことをするんだ!』と憤慨する要素はなさそうだ。

絶対、笑いに持っていくはず…!



< 138 / 800 >

この作品をシェア

pagetop