マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
すると、被害の張本人がやってきた。
「星月おはよー。1時限目どうしたの?伊野っちから朝練には出てたって聞いたんだけど」
「………」
「サボり?サボり?どこにいたの」
「………」
いつもの何の悪びれもない殺人スマイルを振り撒いて、蓑島くんは私の傍に寄ってくる。
この殺人スマイルを見るたびに、いつも無意識にドキドキさせられていたけど…今日はそんな気分ではない。
いつもの返答が出来ずにいた。
「…あれ?どした?ひょっとして、先週のこと激おこ?」
「………」
先週のパイ揉み事件で、完全立腹で「もう知らない!」と、無視を決め込んでやろうぐらい思っていたけど。
今は、それどころではない…。
…この、ズベタうんこ事件。
蓑島くんに言った方が、いいんだろうか…。
『…え?何?…ぶはははっ!…ズベタうんこ女?星月らしいー!…ぶははは!』
…いや、こいつにこそ、笑われること間違いなし!
笑いか『え…』とドン引きするかのどっちかじゃない?
でも…偽でも彼女がズベタうんこ呼ばわりされてんのよ?
でも…この男の場合、『俺の彼女に何てことをするんだ!』と憤慨する要素はなさそうだ。
絶対、笑いに持っていくはず…!