マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



これはもう、一人で戦わねばならない。



愛する人を巡る戦い…!



(………)



…いや、ちょっと待って。

私、蓑島くんのこと、愛していない。

いろいろあって蓑島くんには彼氏になってもらってるけど。

別に、蓑島くんのこと好きじゃない。



…何?この不毛な戦い。



またまた、長いため息が出る。

とりあえず落ち着こうと席に着いた。

カバンを開けて、教科書やノートを机の中に入れる。

…置き勉してなくてよかった。

置いておいたものなら、恐らく教科書類もズベタうんこ化していただろう。



…しかし。



(…ん?)



教科書を机の中に入れるが。

中に何かが突っかかっているのか、しっくりと入っていかない。

中に何か入っているようだ。何かを入れっぱなしにしておいたのか。



中を覗いてみる。

手を入れてその異物を探ると、出てきた。

…あ、ティッシュポーチだ。中にティッシュとハンカチが入っているポーチ。

忘れていったんだな。



(まさか…)



…その、まさか。

予想通り、ティッシュポーチは変わり果てた姿になっていた。




「…うああぁぁっ!」



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