マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



「ん?どうしたの?」

「ああぁぁっ!な、な、何でもない!」



蓑島くんに覗き込まれて、思わず隠してしまう。

変わり果てたポーチを。



そこからササッと離れて、廊下に出る。

追ってこないことを確認して、改めてそのポーチの姿を眺めた。




私の…私のティッシュポーチ。

雑誌の付録で、昔友達からもらったモノで、ピンクの花柄のものだったが。



表面にびっしりとマジックで落書きされている。



やはり、それはあのワード…。



《ズベタ》

《うんこ》



…ああぁぁっ!何で天丼!

しつこい!



この小さなティッシュポーチに、余すことなくびっしりと殴り書かれてる!

大小様々のズベタとうんこが、敷き詰められている!




これはもはや、花柄ではない。

ズベタうんこ柄…!



…ああぁぁっ!

なんたる事態!

ティッシュポーチまでもが、ズベタうんこ化してしまった…!



そのポーチを裏返す。



《ミスターと別れろ!》



デカデカとど真ん中にマジックで書かれている。

それを取り巻いて、引き立たせるようにズベタうんこ柄が…。



ここまでやる…はぁ…。



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