マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
ま。まさか!
ヤバい!
と、思った通り時にはすでに遅し。
アルミ製のバケツが逆さになり、そこからドバーッ!と水が降ってくる。
反射的に避けたが、この狭い空間では逃げ場がない。
顔と頭におもいっきり水が降りかかってしまった。
「………」
冷たい…。
すると、おもいっきりバン!とけたたましい音がした。
同時に背にしていたドアが揺れる。
トイレのドア、蹴られた?!
そして、もう一発、バコン!と蹴られる。
「…ミスターと別れろ!このズベタうんこ女ぁっ!」
「おまえみたいなブスが、悠介様の彼女になっていいと思ってんのかぁっ!ブスコラァァっ!」
え…!
女子の声?!
しかも複数!
悠介様って?…ちょっと笑いそうになってしまった。
ミスター…様付けされるの?ぶっ…。
と、思う間もなく、ドアが次々にバコバコと連続で蹴られる。
あまりの勢いにドアが揺れていた。
「…死ねや!パイだけ女ぁっ!」
は?パイだけ…!
そして、バコン!と、一段と大きい音をあげてドアが揺れる。
その衝撃にビクッと体を震わせている間に、足音がバタバタと鳴らしている。
…は?に、逃げる!