マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
その後、授業開始直前を狙って教室に向かう。
予鈴も鳴り、みんなが席に着き始めているところにこっそりとさりげなく、何もなかったかのように席に着いた。
「どこ行ってたの?」
「…わああぁぁっ!」
突然後ろから話し掛けられ、ビックリして思わず悲鳴をあげてしまう。
バッと振り返ると、蓑島くんが立っていた。
渦中の人物が登場したことで、一気に心拍数が上がる。
どこ行ってたって?
まさか…不審に思われてる?!
「あ、あ…何で」
「だって。せっかくの昼休み、一緒にいたかったのに」
「あ…糸田先生のとこ。部活のことで…」
「えー!あんなハゲと昼休み過ごしてたの!星月もハゲてない?」
「は、ハゲてないよ!それに、業務連絡だし…」
「ハゲと業務連絡?エロっ」
「こら!」
「木曜、デート楽しみだねー。そこでもそのエロぶり発揮して?」
「…こらあぁっ!」
そう言って、「うひひ…」と笑いながら蓑島くんは自分の席へ戻っていく。
そのおふざけにイラッとはするも、いつもの調子で去っていったことに、なぜかホッとさせられる。
変な勘繰り入れてきたかと思ったけど、大丈夫だったよね…?
いつものふざけた感じだもん。大丈夫だ、きっと。
っつーか、今のこの状態、ぶっちゃけデートどころじゃない。