マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



(あ…)



さっきの微妙で残念な様子から、形勢逆転されたような気分。

一気に緊張感が降ってきて、ゾクッとさせられてしまう。

背の高い私は、普段見下ろすカタチが多いのだけど。

大人数に上から見下ろされるって、こんなにも恐怖心を植え付けられるとは思わなかった。

ナメてかかっていたことを、少しばかりか後悔している。




緊張が、走る。




「悠介様と別れろ!でないと、もっとヒドイ目に合わせるよ!今度はおまえ自身をあの上靴やポーチみたいにしてやっからな?!あぁ?」



そう私に怒鳴り散らした女子は、勢いで足を振り上げる。

やばっ…と、思うと同時に、胸のど真ん中に衝撃と痛みが走り、息が詰まる感覚を覚える。

「うっ…」

胸のど真ん中、蹴られた…!



これ、ボコボコにされるパターン…!



ゴボゴホと咳き込んでいる間に、頭上から影がかかったのに気付く。

ハッとして上を向いた時にはもう遅かった。



あの、滝行で姿を見せていた、あのアルミ製のバケツが真上から降ってくる。



「…忠告したかんな?!この、ズベタうんこ女がぁっ!」



やばっ…!



「…痛ぁぁっ!」


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