マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



頭のてっぺんに衝撃が走り、一瞬目の前が真っ暗になる。

大きな衝撃は、私に悲鳴をあげさせ、頭を抱えさせる。

キーンとした鋭い痛みが頭の中を走り、目の前がクラクラと回転する。



痛っ…アルミ製のバケツで、頭を殴るなんて!

こっちの方が、クリティカルヒットだよ!



頭を抱える私の様子を見て、彼女たちはバカみたいに汚い笑い声をあげている。

「天誅!頭に天誅だ!」

「ミスターに愛されてるとかいう妄想から目を醒ませって!あっははは!」

うっすらと目を開けると、そこには腹を抱えて笑う彼女たちの姿がチラッと見えた。



もう…。

何でこんな目に合わなきゃいけないの。

ただ、蓑島くんと付き合ってるからっていうだけで、何で…。

私は、蓑島くんのことを愛してもいないのに。



《天誅だ!》



(………)



…そうか。

これは、罰なのかもしれない。



瞳真とのことを忘れたいがために、ただそれだけのために。

蓑島くんのお言葉に甘えて、利用しようとしてしまったこと。



《…俺のことしか考えられなくしてやるからな?》




好きでも、ないのに。




それは、罪だったのかもしれない。




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