マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
それは、まるで逃げるかのように。
蓑島くんに頼っちゃって。
自分でケリをつけられないなんて、ずるい女。
見た目ばっか強そうで、実は弱い。
勇気を出して、強くならなきゃいけないのは…わかっている。
(強く、なりたいよ…)
《ったく、ケンカすれケンカ!》
《ケンカして取りあえって!逃げるな!このお人好し!》
…逃げるな。
逃げないで、戦え。
…この状況じゃ、逃げ場なんてない。
蓑島くんにも誰にも助けを求められない以上。
もう頼るモノなんてどこにもないはずだ。
…だったら。
もう、戦うしかないんだよ。
ケンカケンカ。
ケンカすれ。
…いろいろ、今までのことには、反省しなきゃいけない点がたくさんある。
でも、今はそんな場合じゃない。
反省は、後。
今は、戦え。
ケンカケンカ。
頭を抱えている手は、拳となり。
わなわなと震えている。
眩暈に囚われていた頭を、目を醒ますかのように横に細かく振った。
力を入れてしっかりと開けた視界に、自分に危害を加えた彼女たちをロックオンする。
「…許されないわぁっ!腹立たしいぃっ!」