マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



私の突然の叫び声に、取り囲んでいた女子たちはビクッと体を震わせている。

ギョッとした表情を見せる女子もいた。



「うわっ!何だ急に叫んで!」

「キレた?うわー!頭おかしくなったんじゃね?」

「な、何?…きゃっ!」



彼女たちの怯んだ隙に、近くに転がっていたさっきのアルミ製のバケツを手に取る。

ちらつくハエを追い払うかのように、振り回して距離を離した。



「きゃっ!危なっ!」

「…何しやがんだ!この女!」

「狂ったか?!ご乱心か!」



キチガイ扱いで結構!

私のお師匠様の口癖を拝借した、渾身の反撃。

おかげで、私のシャウトとバケツの反撃に更に怯んだ彼女たちは、ほんの少しだけ後退りをしている。

その隙をついて、バケツを手にしたまま、彼女たちの輪を掻き分けて走って逃げた。



「に、逃げた!」

「待て!待てよ!」

「チキンかてめえわ!」



しかし、走って逃げた私に対して、怒声をあげる彼女たちは、すかさず追ってきた…!

しぶとい!



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