マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
…でも。
ケンカ出来る、そういう勇気を持てるぐらい。
逃げないで、向き合えるぐらい。
いつか、強くなりたい。
呼び出された体育館の裏の死角になっているところから、走って出る。
しかし、怒声をあげて彼女たちはまだ追ってきていた。
諦めないね。しつこい!
そんなに私を攻撃したいワケ?!
こいつらを何とかしないと…。
(…お)
その時、とあるモノが目に入った。
それは、散水栓と。
水撒き用の長いホース。
何でも、使えるモノは使え。
ケンカだケンカ。
ためらいもせず、そのホースを手に取り、蛇口を手にかける。
「逃がさないよ杉久保ぉっ!」
「大人しくしろ…って、えっ!はぁっ?!」
ようやく私に追い付いてドヤ顔を見せる彼女たちだが。
私が水撒き用のホースを手に構え、その先が自分たちに向けられていることを知ると、表情を変える。
後退りを始めている人もいる。
形勢逆転。
「…は?何する気?」
「まさか…逃げよう!」
「…逃がすかぁぁっ!この、人でなしぃぃっ!」