マイラヴレディ～俺の愛しいお姫様

さっきの話からすると、蓑島くんは知ってたんだよね？

いつからどこまでを知ってるのか…。



「…知ってたの？」



向けたままの背中に問いかけると、そのまま静かにこくっと頷いている。

そして、ブレザーのポケットに手を入れていた。

「………」

それを無言で私に差し出す。



(…えぇっ？！)




それは、とうに亡き物にしていたものだった。



私の…変わり果てたティッシュポーチ！

花柄…ではなく、ズベタうんこ柄になってしまったポーチ！



「…ズベタうんこ？」



いつの間にかこっちを向いていた蓑島くんの顔はニヤニヤしている。

いつものドヤ顔に、悪さがプラスされている！



見られてしまった。

知られてしまった！

これを知られたくないがばかりに、一人で頑張ってたのに…！

何で持ってんの？！



(ああぁぁ…)



ガクッと肩を落とす。



そして、案の定…やられるのである。



「ズベタうんこ？すごい暴言だ。星月がズベタうんこ？俺の彼女、ズベタうんこ…」

そう言って、ブフッと失笑している。

やはり…！