マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
「図星?…大丈夫じゃないでしょ。バケツで頭ぼっかり殴られて」
そう言って、蓑島くんは。
私の頭に手を添える。
そして、ゆっくりと私の頭を撫でてくれる。
撫でてくれるその手は、暖かかった。
温度がじんわりと伝わって。
撫でながら、私を見つめる顔も優しく笑っていて…暖かい。
「こんなところ殴られてハゲたらどうすんの。糸田さんとお揃いになっちゃう。ハゲ監督にハゲマネージャー」
「あんな一発でハゲるか」
「たんこぶできてる」
「…痛っ」
しかし、痛いと言ったにも関わらず。
蓑島くんはまだ頭を撫で続けている。
(………)
なんか、くすぐったい。
…男の人に頭を撫でられるなんて。
あまり慣れてない。
そんな可愛いキャラじゃないから、されたことない。
だから…ちょっと照れ臭い。
恥ずかしくて、俯いてしまう。
何でだろう。
普段は逞しいデカ女の私が。
蓑島くんの前になると、なぜこんなにもか弱くなってしまうんだろう。
それは、まるで。
お姫様のように。