マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
頭を撫でていた手は動きを止めて。
手は添えられたまま、片手で引き寄せられる。
(わっ…)
肩を抱かれて、蓑島くんの肩に頬を置くカタチとなってしまった。
(ち、ちょっと…)
密着で一気に緊張でガチガチになる…と、思いきや。
私を包む腕からも、その心地好い温度をも感じてしまい。
緊張で高鳴っていた胸は、その温度に溶かされる。
蓑島くんの顔が、すぐ近くにある…。
「…俺の前でだけは、強がらないで」
囁かれる耳元に、吐息がかかる。
そんな事で、またすぐに胸を高鳴らせてしまう。
「守ってやりたいんだからさ?その為の俺…でしょ?」
その言葉のひとつひとつに、敏感に反応してしまう。
言われ慣れていない、そのセリフに。
騙されているんだろうか…と、疑いたくなるけど、その心地好い温度の腕に包まれていると…。
「は、はい…」
…身を、預けたくなる。
まるで、教祖の魔術にかけられたみたいに。
「よしよし。いい子だ。良いお返事」
頭に添えられた手は、再び私の頭を撫で出す。
「…もう」
「だーかーら。その『もう!』は可愛すぎてキュン死するって。俺、命危ないわー。うひひ…」
「…もう!笑うな!」