マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様


「み、み、みの、蓑島くんっ?!な、な、な、何でうち、うち、うちにっ!」



今度は私が不審者のようになってしまった。

その姿を目に入れた途端、あまりの驚きに口から内臓飛び出るかと思った。



今日もご機嫌なキラキラスマイルの蓑島くん。

風貌ワイルドなのに、笑うとなぜか爽やかだ。

お母さんは蓑島くんがスマイルを見せた途端、「きゃっ!」と、黄色い悲鳴をあげて軽く跳ね上がった。

43のおばさんも虜にしてしまうんだ…。



「す、素敵っ!せ、せづの彼氏?!」

「あ、え、えーと…」



私の背後でお母さんは「素敵素敵素敵イケメン素敵…」と、呟いている。

お母さんだからこそ、はっきりと言えないのが後ろめたい。

まさか、好きだった男を忘れるために彼氏になってもらいましたなんて、言えない…。



「て、て、っていうか!何でうちに来るの!」

「え?昨日迎えに行くって言ったじゃん」

「な、何で今!早すぎるでしょ!」

「ごめーん。楽しみすぎて早く来ちゃった。遠足の前日の小学生現象だ」

それは、楽しみすぎて寝れないっていうのであって…ちょっと違うでしょ!

もう!


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