マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



とりあえず、蓑島くんの相手はお母さんがしているようだから、私は洗面所に直行する。

顔洗って、歯を磨いて…あぁ、服何着よう。

リビングの方からは、お母さんの笑い声と蓑島くんの低い声と饒舌な口調が聞こえてくる。

「えーっ!蓑島くん野球部なのー?坊主じゃないから意外!」

「坊主だと帽子があちこち当たって痛いんでダメなんですよー」




もう、何なのよ。

突然家に押し掛けて来るなんて。

私の家、何で知ってんの?誰から聞いた?

その上、お母さんまでも丸め込んで味方にしちゃって。

…ホント、世紀の人たらしとは上手いこと言ったもんだわ。斗弥子。



洗面を終えて歯磨きしていると、お母さんが私のところに来た。



「せづ!お母さん仕事行ってくるから!蓑島くんあまり待たせちゃダメよ!」

「ふぁい…」

「あと、札駅にお買い物行くんですって?着ていく服あるの?」

「………」

札駅行くんだ。初耳だ。

着ていく服…困ってるよ。

「あんた女の子らしい服持ってないもんね!お母さんの服はあんたには小さいから入らないと思うし…と、とりあえず!テーブルに一万円置いといたから!そのお金で蓑島くんに服でも選んで貰いなさい!」

「ふぇ?」

えっ…!

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