マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



蓑島くんに服を選んでもらう?!

な、何言ってんの!このお母さん!



「お、おかあふぁん!」

「そういうワケで、うまくやるのよ娘!タダでも色気無くて男っ気がないんだし、あんな上玉イケメン逃がすんじゃないよ?…じゃ!いってきます!」

「ひょ、ひょっと!」



ああぁぁっ!歯ブラシ口に加えたままじゃ喋りにくい!

反論の余地も与えられず、お母さんは出勤して行ってしまった。



タダでも色気無くて男っ気ない。

娘に何てこと言うの、母…!あんたの娘だよ。

もう!



腑に落ちない心境で、歯磨きを続ける。



一万円の臨時収入はラッキーだけど。

それで蓑島くんに服選んでもらえ?

何を図々しいことを…!



男の人が、女の人の服を選ぶとかって、とても苦痛なことなんだよ?

昔、瞳真とお母さん方とスポーツショップに行った時、気に入ったTシャツを見つけて、瞳真に『どっちがいいと思う?』と聞いたところ。

瞳真は面倒くさそうな顔で、

『どっちでもいいんじゃね?』

『…あ、黒なら汚れ目立たないぞ』

と、言われたことがある。


その時、私は思った。

男の人って、女子のファッションのこだわりなんぞどうでもいいんだ。

その割には自分はオシャレな服を着て、私には『おまえだっせぇの着てんな?』と、言ってくる…これも、瞳真。



そんなこと、蓑島くんに頼めるワケないでしょ!



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