マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
そんな紫苑先輩に、よく働くねぇーと言われた。
「…そうですか?今の練習中、砂埃と熱さが気になったんで」
「よく気が付くねー」
「だって、もし自分だったら嫌ですもん」
「せづマネはプレーヤー視点でモノ考えてくれるから、助かるわー。他のマネは気付かないとこ気付くし…ほらほら、同じ1年の美優マネは、今部員とお喋りしてるよ?」
「選手とのコミュニケーションも大事なマネの仕事ですよ?」
「そうかな?俺はせづマネみたいにせっせと働く女子大好き」
「適材適所ですって」
でも、一応褒められたので「ありがとうございます…」と、頭を下げると、紫苑先輩は「ガンバってねー」と、手を振りながら部員たちの元へと行ってしまった。
よく…働きますよ?
自分のサッカーを辞めてしまった今。
私はマネージャーとして頑張ることにしたので。
そして、時間が過ぎていき、日も暮れる。
撤収…部活終了の時間となった。
「…あれ?星月、残るの?」
部員も着替えて捌けてきた頃。
部室でスコアブックを開き始めた私に、すでに制服に着替えていた同じ1年女子マネの美優が話し掛けてくる。
「うん。残る。先週の試合のスコアブック整理するの忘れてた…やばっ」
日々の雑用に追われて、後回しにしていたことを早いうちに済ませておかないと。
そう思って、今日やることにした。
現時点でスコアを付けれるのは、三年マネが引退した今、チーフマネージャーと私だけ。
私しか出来ない仕事は、俄然張り切ってやる。