マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様


目の前で昔の写真見られるとか、恥ずかしいし、照れ臭いな。

でも、蓑島くんは目をキラキラさせて、楽しそうに見ている。

それを見ていると、別にいいかななんて思っちゃった。



「せづもすごいね。個人賞のトロフィーいっぱいだし。日本代表のユニフォーム着てるとかすごっ」

「それ、中二の時の写真なの」

「中二で日本代表?おぉー」

「中三の時も選ばれてたんだけど、ケガで辞退しちゃったんだ…」

「あ、そうだっんだ…ごめん」


…あ、しまった。


わざわざ暗い話題を…。

謝らせてしまった。

さすがの蓑島くんも、表情は崩さないもの、言葉を詰まらせて沈黙してる。

蓑島くんの前だから、つい…。


「………」


無言のまま写真を眺める蓑島くん。


沈黙、気まずい。



「み、蓑島く…」

「あ」


それを打破しようと、口を開きかけたが、蓑島くんの発した声に遮られる。

蓑島くんは写真立てを手にしていた。



「うわっ。これ、水口じゃね?あいつ小さい時からイケメンか!こんな小さい時から女殺しか!チッキショー!憎たらしい!」

「………」



その写真は、小6の選手権大会で優勝した時の集合写真だった。

整列の前列の真ん中で、私がトロフィー、瞳真が賞状を持っている。



「…蓑島くんも小さい時からイケメン女殺しだったでしょう」

「うん。俺は星月殺し」

「………」


< 191 / 800 >

この作品をシェア

pagetop