マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
目の前で昔の写真見られるとか、恥ずかしいし、照れ臭いな。
でも、蓑島くんは目をキラキラさせて、楽しそうに見ている。
それを見ていると、別にいいかななんて思っちゃった。
「せづもすごいね。個人賞のトロフィーいっぱいだし。日本代表のユニフォーム着てるとかすごっ」
「それ、中二の時の写真なの」
「中二で日本代表?おぉー」
「中三の時も選ばれてたんだけど、ケガで辞退しちゃったんだ…」
「あ、そうだっんだ…ごめん」
…あ、しまった。
わざわざ暗い話題を…。
謝らせてしまった。
さすがの蓑島くんも、表情は崩さないもの、言葉を詰まらせて沈黙してる。
蓑島くんの前だから、つい…。
「………」
無言のまま写真を眺める蓑島くん。
沈黙、気まずい。
「み、蓑島く…」
「あ」
それを打破しようと、口を開きかけたが、蓑島くんの発した声に遮られる。
蓑島くんは写真立てを手にしていた。
「うわっ。これ、水口じゃね?あいつ小さい時からイケメンか!こんな小さい時から女殺しか!チッキショー!憎たらしい!」
「………」
その写真は、小6の選手権大会で優勝した時の集合写真だった。
整列の前列の真ん中で、私がトロフィー、瞳真が賞状を持っている。
「…蓑島くんも小さい時からイケメン女殺しだったでしょう」
「うん。俺は星月殺し」
「………」