マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
出た。出たよ。
ふざけた殺し文句。
…でも、気を遣われたような気がする。
もう、優しいんだか、何なんだか。
「…じゃあ、私着替えてくるからソファーに座ってワイドショーでも見てて」
「寝起き部屋着姿も可愛いよ?マイワイフ」
「………」
心にもないことを言うんじゃない。
蓑島くんの甘いセリフ?たまに嘘くさい。
そんな彼を置いて一人、階段を上がり二階の部屋へと向かう。
部屋に入り、クローゼットを開けた。
(………)
ああぁぁっ!どうしようっ!
ホントに困る!
…何着ていくか、困る!
蓑島くんが我が家に登場した時。
この最大の問題が、本当に深刻な問題になってしまった。
…何?…何あのモデルみたいな出で立ち!
イケメンって、何着てもキマるの?!
あんなシンプルなTシャツとスキニーだけで、あんなにもカッコよくなれる?!
さりげにブレスレットとか付けてたし!
カッコよすぎるんですけど…!
…まずい。
あんなオトナなモデル系の横を歩くには、何を着たらいいの?
引き出しを開けるが。
私、スポーツブランドのTシャツしか持ってない…!