マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様


夏休み、彩里と会ったけど。

何せ部活帰りに地元のイオンで会ったから、部活ジャージだった。

彩里は表は無地の白Tシャツだが、背中は露出でレースアップのリボンがあしらわれたものを着ていて、オシャレで可愛らしい感じで。

薄いデニム色のショートパンツに、華奢なサンダルで、いかにも可愛い女子!みたいな。



私、そんなオシャレ着、一枚もない!



そんなリボンがあしらわれたTシャツもなければ、ショートパンツもスカートも持ってない。

あるのはせいぜいデニムだけ…。



どうしよう…。



ため息が出る。



こんなことなら、もうちょっとオシャレに気を使っておくべきだった…。

これだもん、瞳真が私を女として見るワケがない。

女子力高い美優を好きになるのは、当たり前だよ…。



更に深いため息が出て、落ち込む。

もう、デート中止にしたい気分…。



重い気持ちで何となく引き出しを開ける。

中を何度確認しても、スポーツブランドのTシャツとか無地のプチプラTシャツ、ポロシャツぐらいしかない…。

全国大会出場記念Tシャツ?…絶対無理こんなの!




だが、その時。

背後からガタンと物音がした。


びっくりして振り返る。

しかし、そこには。

下にいるはずの人が、私の学習椅子に腰かけて、机の上を物色していた。



何で…!



「み、蓑島くん!何してんの!」



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