マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様




「………」



そんな私の気も知らず、蓑島くんは無言で黙々と私の服を広げて見ていた。

なぜか、物凄く後ろめたい。

何を思ってるんだろう…。そこが気になる。



「…ALL JAPAN?このポロシャツ、オールジャパンって書いてある」

「……」



そのオールジャパンの白いポロシャツを広げて私に見せてくる。

悪そうなドヤ顔で…。

やはり…そこ、突っ込んでくる。


「…それ、日本代表選抜の時のポロシャツ。今は部活でたまに着てる」

「おぉっ。貴重品でしょ。…で、こっちは?『第13回中学女子サッカー全国選手権大会』…イベントTシャツ多いね。うひひ…」

「………」

どうしてそう突っ込んでほしくないところばかり…。



ダメだ。

もう、はっきり言おう。



蓑島くん。

私、可愛い服持ってない。

蓑島くんと一緒に歩けるような可愛い服、持ってない。

だから、デート中止しましょう。


なんて。



だって、いろいろ突っ込まれるの、耐えられない…!

オールジャパンとかイベントTシャツとか!



「蓑島くん、あの…」

「何?」

蓑島くんはまだ、引き出しの中を物色している。



「…私、可愛い服…」

「…おっ!いいの発見!これ良くね?!」

「持ってない…え?」



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