マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
いいの…って言われるほどのモノ、持ってたっけ。
頭上にハテナマークを浮かばせ、首を傾げた。
そして、蓑島くんの手にしている自分の服を、今一度確認する。
「蓑島くん、それ…」
「いいじゃんいいじゃん!このブランド、今流行ってるし!札駅に直営店も出来たでしょ。ゆるゆるオーバーサイズでおしゃれー」
いや、それ…。
蓑島くんが手にしているのは。
Cの目玉のようなマークでお馴染みのスポーツブランド。
小さいワンポイントの刺繍が左の胸に、ワッペンが左の袖にあしらわれている。
…このブランド、結構好きで。
昔、瞳真と一緒に買ってたんだよな…。
そして、これは至ってシンプルなメンズの黒のTシャツ。
「…これ、お兄ちゃんからもらったやつ。イオンで買ったんだけど被ったからってもらったの」
しかも、お兄ちゃんのサイズだから、LLサイズ…お兄ちゃんでも大きめ。
当ててみたけど、ちょっと大きいので部屋着にでもしようかと思っていたやつだ。
これ…いいの?
すると、蓑島くんは「フッフッ…」と肩を震わせて笑う。
「女子がメンズサイズのTシャツをゆるっと着る…非常に好きなスタイルでありますよ?」
えっ…嘘ばかり。
だってお兄ちゃんのだよこれ…。