マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



ドヤ顔だけど、なぜか目がキラキラとさせている。

何で?…ファッションプロデューサー、やりたかったの?



「………」



無言で立ち尽くしていると、エセファッションプロデューサーが「何だ何だ!ノリ悪いねえ!」と笑っている。

うさんくさ…。

「何だ何だ。信用してないの?」

「………」



…だって。普通にTシャツとデニムだよ?

普通の格好じゃん。

可愛らしさのカケラもない。



いや、こんなのしか持ってない自分が悪いんだけどね…。

そんな中でも選んでもらったんだ。

むしろ、感謝すべきか…。



ダサい女?とか思っただろうなぁ…。



「…ごめん。ありがと。これ着るね」

「うん!着て着て!」

「………」

「…早く着ないの?」

「着るから出てってくれる?」

「俺のことは気にしないで」

「…気にするよ!出てって!」

「えー」



エロファッションプロデューサーを、乱暴に部屋から追い出す。



(………)



彼が選んで用意してくれた服たちを、横目で見る。



…蓑島くんは、なぜ。

なぜ、私にここまでするんだろう。


< 199 / 800 >

この作品をシェア

pagetop