マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
途端に歓声が沸き上がって、歓喜の渦に包まれる。
『星月、やった!やった!』
『逆転したぁぁっ!すげぇぞおまえぇぇっ!』
駆け寄ってくるチームメイトと抱き合って、喜びを分かち合う。
そんな中、先ほど私に良いパスをくれた瞳真が手を上げてやってくる。
『星月、ナイスシュート』
『瞳真、ナイスアシスト!』
上げた手に、手の平を叩き込みハイタッチ。
『…さあ、逆転したから残り時間全力で守るよ!』
『おう!』
…そうして、残り時間ディフェンスに徹した私達は。
そのまま守りきり、見事に優勝。
ジャイアントキリング達成。
全国大会への切符も手に入れ。
…あの時が、一番輝いていたのかもしれない。
このままでいられたら。
このまま、みんなと一緒に大人になれたら良かったのに。
でも、それは到底無理な話だった。