マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



お馴染みのパン屋さんの前に差し掛かったところで、思わぬ人に遭遇する。

全身緊張で固まってしまった。



目の前で緊張だらけの私にご機嫌に手を振るのは、背の高い男の人。

よく知ってる…お兄ちゃんの友達だった。



「り、理人くん、こんにちは…」

「せづ、こんな時間に何してんの。学校は?」

「今日は休みで…理人くんは?学校…」

「今日は午後からなんだー。お昼にパンダフルでパン買ってた。…で、カレシとデート?」

「えっ!」



そう言って、お兄ちゃんの友達の理人くんは、ニヤニヤしながら蓑島くんを見ている。

蓑島くんはなぜか「あざっす!」と、ご機嫌スマイルのまま頭を下げていた。



「わぁー。すごいイケメンだな。せづもなかなかやるなー。凜と夏輝にご報告だなー」

「お、お兄ちゃんたちに!や、やめて!」

「せづの知り合いさん、あざっす!」

「…何でありがとうなのよ!」



理人くんは、ニヤニヤしながら手を振って通り過ぎていった…。

あぁ、お兄ちゃんと夏輝くんにバレる。

やめてやめて…。



「せづ、あの人誰?あの人もすごいイケメンだね。背、俺より高い。大学生?」

「お兄ちゃんの友達…。救急救命士の学校行ってるの」

「わお!救急車!」



…わお!じゃないわよ!



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