マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
『大丈夫』から逃げる
***
ーーーあの日から、私を取り巻く事態は一変した。
『…ねえ、聞いた?杉久保選手の全国大会でのケガ!』
『聞いた聞いた。マークを振り切った際に、相手チームの選手と接触したって話でしょ?』
『前十字靭帯断裂だって。手術したらしいよー?U-15も辞退したって!』
『U-15どころか、高校入学にだって間に合うかどうか…』
大丈夫。大丈夫だよ?
手術して、リハビリすればまたサッカー出来るようになるって?
大丈夫…。
『そうだな!大丈夫だな!星月ならケガなんてすぐに治してまたサッカー出来るようになるさ!』
『星月なら大丈夫だ!』
大丈夫…?
『うん!大丈夫だよ!だからみんな心配しないでね?』
…じゃない。
大丈夫じゃない、ホントは。
『ケガが治れば、星月ならまた活躍出来るよ!大丈夫!』
『そうだね!大丈夫だね!』
『うん!大丈夫だよ、私は』
大丈夫。大丈夫。
…でも、その『大丈夫』を口にすればするほど。
強がれば、強がるほど。
自分の中の何かがガラガラと崩れていく。
ーーーあの日から、私を取り巻く事態は一変した。
『…ねえ、聞いた?杉久保選手の全国大会でのケガ!』
『聞いた聞いた。マークを振り切った際に、相手チームの選手と接触したって話でしょ?』
『前十字靭帯断裂だって。手術したらしいよー?U-15も辞退したって!』
『U-15どころか、高校入学にだって間に合うかどうか…』
大丈夫。大丈夫だよ?
手術して、リハビリすればまたサッカー出来るようになるって?
大丈夫…。
『そうだな!大丈夫だな!星月ならケガなんてすぐに治してまたサッカー出来るようになるさ!』
『星月なら大丈夫だ!』
大丈夫…?
『うん!大丈夫だよ!だからみんな心配しないでね?』
…じゃない。
大丈夫じゃない、ホントは。
『ケガが治れば、星月ならまた活躍出来るよ!大丈夫!』
『そうだね!大丈夫だね!』
『うん!大丈夫だよ、私は』
大丈夫。大丈夫。
…でも、その『大丈夫』を口にすればするほど。
強がれば、強がるほど。
自分の中の何かがガラガラと崩れていく。