マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
「いやいや。いても、部活で忙しすぎて男作れないでしょーが」
「おかげで、真琴がうちの高校ではイケメンの代わりのようなもん!真琴、ファン多いの!…女子の」
「サッカー部の貴公子!みたいな?あ、女だけど。ふふっ」
「…ちょっと」
私達の様子を一歩後ろで下がって見ていた真琴が、ムッとした表情をする。
真琴はベリーショートで背も一際高いから、昔から、パッと見て男と間違われることも多かったような。
部活で忙しい、か…。
「三人とも同じ高校なんだね。今日は部活?」
三人とも同じジャージを着ている。
で、この時間にここにいるってことは、移動中か何かかな。
そう思って、話を振る。
…別に、話に花を咲かせたいワケじゃない。
むしろ、話したくない。
みんなのこと、嫌いってワケじゃないけど。
今すぐ、逃げたい。
あの事を…抉られる前に。
そんな私の気も知らずに、いつきと瑠華が質問に答えてくれる。
「…そ、そうそう!明日から秋大始まるから、今日は調整で早めに終わり、みたいな…」
「そう!で、どっかお茶して帰ろっか?みたいな?」
「秋大…あ、そうなんだ」